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HOME » 画像診断 » 2009年5月号

画像診断 Vol.29 No.6

画像診断 Vol.29 No.6 2009年5月号

サイズ:
B5
頁数:
120ページ
定価:
2,420円(税込)
発行年月:
2009年04月25日発行
ISBN_10:
4-87962-446-2
ISBN_13:
978-4-87962-446-8

肝細胞癌の画像診断と病理・病態

現状と将来展望

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序説
松井 修

これまでに肝癌の画像診断の研究は数限りなく行われ,また画像診断機器・造影剤や診断技術の進歩は著しい.にもかかわらず,依然として日常診療で簡単に診断が可能なわけではない.何が肝癌画像診断の問題なのか?私自身,この30年間肝癌の画像診断に取組み,いくつかの問題点を解明してきたが,それでも毎日のように判断に迷う肝腫瘤に遭遇する.理由はいくつかあるが,なかでも最大の理由は,我々が最大の診断目的とする,完全に完治可能ないわゆる早期肝細胞癌が,周辺の硬変肝結節に肉眼形態・結節内脈管構造に加えて種々の内包する機能が類似するからである.約30年前に経動脈性門脈造影下CT(CTAP)を小肝癌の精密な検出を目的として導入し,約5mm前後までの肝癌が検出可能となったが,同時に,典型的な多血性肝癌が,門脈血流を内部に有する乏血性の結節から進展することを見出した(多段階発癌の発見).その後,こうした結節の組織学的解析からいわゆる早期肝細胞癌が明らかにされたが,その当時から,こうした早期肝細胞癌の画像診断の困難さが予想された.すなわち,門脈血流はある時点で突然欠如するのではなく,次第に連続的に減少するのである.どの時点からが“癌”なのか?その後綿々とこの問題に悩まされ続けてきたと言える.この問題は画像診断のみならず,病理診断においても長く論争があり,現在も完全に解決されたわけではない.しかしながら,これらは,困難な問題にもかかわらず,確実に解明・解決に向かって前進を続けている.さらに,これらに加えて,肝癌の治療法や病理病態の理解の変遷に応じて,画像診断の目的にもそれなりの変化がある.2009年の時点におけるこうした問題の到達点を画像診断の立場からまとめ・記録することは有意義であろう.

特集
肝細胞癌の病理
肝細胞癌と鑑別する必要がある肝病変の病理組織
多段階発癌・早期肝細胞癌の画像診断と病理・病態
 a. CT・動注CT
 b. 超音波診断
 c. MRI・SPIO造影MRI
早期肝細胞癌と鑑別を要する肝細胞性結節性病変の画像と病理
多血性(古典的)肝細胞癌の画像と病理
多血性肝細胞癌と鑑別を要する肝腫瘤性病変の画像と病理
特殊な病理像を示す肝細胞癌の画像と病理
肝細胞癌脈管浸潤の画像診断と病理
●連載目次●
すとらびすむす
雑感
吉満 研吾

画像診断と病理
脂肪成分の乏しい血管筋脂肪腫
鳴海 善文,金 東石ほか

胸部画像診断24のポイント
過去の写真を探せ
野間 恵之

CASE OF THE MONTH
Case of May
宮良 哲博,村山 貞之
The Key to Case of March
與儀 彰,村山 貞之

Picked-up Knowledge from Foreign Journals
手足のMRI
青木 隆敏

画像診断のkey words
Crossed cerebellar diaschisis/
Super bone scan
沖崎 貴琢,油野 民雄

Refresher Course
感音性難聴を呈する内耳・内耳道奇形の画像診断
-人工内耳の適応を含めて-
栗原 宜子