肺癌画像診断の新しい流れ
序説 ● 楠本 昌彦
この1〜2年,肺癌を取り巻く世界はある節目の時期を迎えている.ひとつは国際的な病期分類の改訂が施行されたこと,もうひとつは病理分類の改訂が近々施行されることである.さらに昨年,米国での低線量CTを用いた検診で,単純X線写真を用いた検診に比べて肺癌死亡率の低下が示されたことも大きな話題である.
今回の特集号では,このUICCによる病期分類の改訂点ならびに「肺癌取扱い規約(第7版)」での改訂点について,画像診断に関係する部分を主体に具体的に解説いただいた.
一方,病理分類はWHO分類第4版の改訂もほぼ固まり,近日中に提案されることになっている.この新しい改訂点についても解説いただいた.
また低線量CT検診の現状と,放射線診断医が読影する際の注意点や要点について,肺癌に対するPET-CTの読影上のピットフォールや限界について一般放射線科医が知っておくべきことを記述いただいた.
本書がわが国での放射線科医や呼吸器科医の日常診療の一助となることを祈って止まない.
肺癌の新しい病理分類−腺癌を中心に− ● 野口 雅之,南 優子ほか
肺野型肺癌の画像診断−新しい病理分類を踏まえて− ● 栗山 啓子
肺癌以外の孤立性肺結節の画像診断 ● 負門 克典,松迫 正樹ほか
肺癌の新しい臨床病期分類とリンパ節分類 ● 福井 高幸,光冨 徹哉
肺癌の画像による臨床病期分類−T因子について− ● 楠本 昌彦,渡辺 裕一ほか
肺癌の画像による臨床病期分類−N因子,M因子について− ● 渡辺 裕一,楠本 昌彦ほか
肺癌診断におけるPET-CTの有用性と限界 ● 野上 宗伸
低線量CTを用いた肺癌検診の現状と読影のポイント ● 丸山 雄一郎
連載
すとらびすむす
放射線科の魅力を伝えたい ● 松永 尚文
画像診断と病理
低分化進行胃癌 ● 石川 勉,楫 靖ほか
ここが知りたい!
画像診断2011年4月号特集
「知っておくべき偽病変─胸部における正常変異(破格),先天奇形─」
● 原 眞咲,伊藤 雅人
Picked-up Knowledge from Foreign Journals
消化器悪性腫瘍の化学療法:治療効果の評価と画像診断 ● 岡田 吉隆
Case of the Month
Case of September ● 大内 恵理,山﨑 郁郎ほか
The Key to Case of July ● 山﨑 郁郎,河村 泰孝ほか
Refresher Course
肝特異性MRI造影剤再入門─エビデンスに基づくEOB造影MRI検査─
● 本杉 宇太郎