小児先天性疾患に強くなる
疾患の成り立ちから診断まで
序説
金川 公夫
小児の画像診断の大きな特徴として先天性疾患の存在が挙げられる.その先天性疾患の診断にはある程度の発生学の知識が必要になることが考えられる.発生学の知識があれば,先天性疾患を理解し,診断しやすくなる.
そこで,先天性疾患を7つの分野に分け,画像診断のために必要な発生学を中心にして,わかりやすく解説し,疾患の成り立ちへの理解を深めることで,画像診断法のみならず,画像診断に必要な基礎知識も得てもらうことを意図した.
本書によって先天性疾患に興味を持っていただき,さらに詳しい教科書を読むきっかけにしていただければ,幸いである.
特集
頭部 ● 小西 淳也
聴器 ● 藤田 和俊
頸部−咽頭弓の発生と先天異常− ● 河野 達夫
胸部−肺− ● 野澤 久美子
心臓 ● 髙田 香織,水谷 良行ほか
腹部−消化管疾患− ● 宮坂 実木子,野坂 俊介ほか
泌尿生殖器 ● 赤坂 好宣
連載
すとらびすむす
美の探求 ● 井上 優介
画像診断と病理
浸潤性血管粘液腫 ● 長谷川 靖,宍戸 文男ほか
ここが知りたい!
画像診断2010年12月号特集
「認知症の画像診断─Alzheimer病から稀な疾患まで─」● 北垣 一,德丸 阿耶ほか
Picked-up Knowledge from Foreign Journals
骨腫瘍・腫瘍類似病変 ● 青木 隆敏
Case of the Month
Case of May ● 蒲地 紀之,入江 裕之ほか
The Key to Case of March ● 江頭 玲子,工藤 祥
Refresher Course 左腎静脈から始まるIVRのための後腹膜静脈の解剖
―左副腎静脈サンプリングからBRTOへ― ● 荒木 拓次