胆道画像診断のコモンセンス
序説
竹原 康雄 タイトルに「コモンセンス」と銘打ったごとく,毎日の報告書を作成する上で役に立つ基礎知識を充実させた一方で,胆嚢,胆道の病理を手厚く誌面を割いて充実させた.胆道系の画像診断は,胆道系の発生と,病理がわかっていないと面白くないという思いからである.特に,胆道は膵や十二指腸と1つのユニットであり,そのどれが悪くても他に影響を及ぼす.そして,こうした基礎知識の上に立って,近年,注目を集めている胆管内乳頭状腫瘍(intraductal papillary neoplasm of bile duct;IPNB)など,疾患概念がようやく固まりつつある新しい知見についてもカバーした.
本特集では,上述のような思いから,胆道系を極めた名だたる執筆陣に御無理をお願いして,御寄稿いただいている.画像診断を研修中の初学者から,専門医まで,幅広い読者に満足していただける特集となったと思われる.ぜひご一読の上,購読された諸氏の御批判を仰ぐことができれば幸いである.
●特集目次
胆嚢の病理
胆道の病理(胆嚢を除く)?膵カウンターパートとの比較を中心に?
胆道疾患のmodality-based approach
A. MDCT,MRI,血管造影
B. 体外式ならびに体腔内超音波検査,内視鏡,直接造影法
胆道外科で注意すべき解剖?異所性胆管・胆嚢管・肝動脈・門脈?
良性胆管狭窄
悪性胆道拡張(IPNB)の画像診断
胆嚢癌と鑑別を要する胆嚢良性疾患
胆道悪性腫瘍のハイリスク病変と早期診断
●連載目次
すとらびすむす
スキー,好き?
阿部 修
画像診断と病理
若年型顆粒膜細胞腫
爲田 忠信,宍戸 文男ほか
ここが知りたい!
画像診断2010年10月号特集
「最近の核医学検査・PETと核医学治療」
有坂 有紀子,藤井 博史ほか
Picked-up Knowledge from Foreign Journals
“教科書とちょっと違う”タイプの膵疾患
岡田 吉隆
CASE OF THE MONTH
Case of March
江頭 玲子,工藤 祥
The Key to Case of January
野口 智幸,工藤 祥ほか
Refresher Course
乳腺のMR spectroscopy
水越 和歌