おぼえておきたい稀な画像所見
胸部のcommon disease
序説
村田 喜代史 胸部の画像診断は高分解能CT(HRCT)あるいは薄層CTを用いることによって,微細な形態変化をとらえることができるようになり,この30年の間に大きな変化を遂げてきた.種々の疾患におけるradiologic-pathologic correlationによって,HRCTで得られる所見の病理変化が検証され,その集積によって,疾患ごとのHRCT所見の特徴が明らかになる,いくつかの教科書には,その特徴が明快に記載されている.
ところが,日々の臨床の中では,教科書通りにはいかない症例にしばしば遭遇する.そこで,疾患ごとの教科書的な所見を理解しておくことがまず必要なことであるが,頻度は小さいものの時に見られる所見を記憶し,自分の引き出しの数を増やしておくことは鑑別診断を考える上で大きな力になると思われる.
今回の特集では,胸部に生じる種々の疾患の中で頻度の高い疾患を取り上げて,教科書的と考えられる画像所見に加えて,知っておくべき,頻度は低いが重要な画像所見を中心に,経験豊富な先生方に症例とともに解説していただいた.本特集を企画したものとして,種々の疾患の基本的な画像所見やその病理学的裏付けをしっかり学んだあと,本書で示されるような画像所見のvariationの知識を増やしていただけることを願っている.
●特集目次
肺癌
細菌性肺炎
ウイルス肺炎
真菌症
結核症,非結核性抗酸菌症
肉芽腫症
縦隔腫瘍
●連載目次
すとらびすむす
北東アジアネットワーク
大友 邦
画像診断と病理
膀胱の血管周皮腫/孤立性線維性腫瘍
石井 士朗,宍戸 文男ほか
ここが知りたい!
画像診断2010年8月号特集
「おさえておきたい出血性脳血管障害─基本から最新の知識まで─」
鈴木 秀謙,小川 敏英ほか
Picked-up Knowledge from Foreign Journals
心臓CTを用いた大動脈弁の形態評価
岡田 宗正,松永 尚文
CASE OF THE MONTH
Case of January
野口 智幸,工藤 祥ほか
The Key to Case of November
高坂 功,園村 哲郎ほか
Refresher Course
大動脈解離Review?疾患概念から治療まで?
末吉 英純