いま,注目の疾患 2014
【特集】
序説 ● 福田国彦
1970年代はNMRイメージングの原理やPACSの概念が発表されるなど,まさに放射線診断におけるIT時代の幕開けであった.そして,その後のCTやMRIの進歩が,従来の侵襲的で時間のかかる造影検査を少しずつ駆逐していった.さらに,1998年に開発されたマルチスライスCTに代表されるように,撮影の高速化が画像検査件数を爆発的に増加させた.また,コンピュータ技術の急速な進歩が,ストレスのないPACS環境の構築を実現した.その結果,IVRを専門としない放射線診断医の日常は様変わりし,朝から晩までひたすら読影室に詰め,多くの症例の読影に専念することになった.
PACSが果たした最も大きな恩恵のひとつは,画像診断効率の向上であろう.現在はひとたび読影端末の前に座れば,溢れんばかりの症例が放射線診断医を待ち受けている.同時に,我々の画像診断報告書は,依頼医師をはじめ医療従事者に常にさらされている.
このような環境の変化の中にあって,放射線診断医は自分が専門としている領域以外でいま何が話題になっているのかについても,知識をアップデートさせておく必要がある.これが本特集を企画した趣旨である.全身を8領域に分け,専門領域以外の人にはまだ認知度の低い疾患,専門領域において最近話題になりはじめた疾患,最近概念に変化が生じた疾患を目安として疾患を取り上げた.通常の特集は臓器別,疾患群別の企画であるが,今回は全く脈絡のない,しかし,放射線診断医として知っておくべき話題の疾患の症例集となった.読者諸氏の生涯教育の材料としてお役に立つことを願っている.
1. 中枢神経
2. 頭頸部
3. 呼吸器
4. 循環器
5. 消化器
6. 泌尿器・男性生殖器
7. 女性生殖器
8. 骨軟部
【連載】
すとらびすむす
遠くて近い世界 ● 金澤 右
画像診断と病理
脳腫瘍(血管外皮腫) ● 原田雅史,阿部考志ほか
ここが知りたい!
画像診断2013年8月号特集
「実践! 乳腺の画像診断」● 久保田一徳,佐竹弘子ほか
Picked-up Knowledge from Foreign Journals
大動脈解離および大動脈硬化の画像診断
● 岡田宗正,松永尚文
CASE OF THE MONTH
Case of January ● 三浦幸子
The Key to Case of November ● 児玉大志
Refresher Course
知っておきたい,肺腫瘍CTのピットフォール
● 室田真希子,佐藤 功ほか