腹部のcommon diseaseの画像スペクトラム
−良性疾患も多岐多彩−
序説−once upon a time− ● 大友 邦
画像診断は,異常所見を見つけ出す検出,異常の種類を識別する鑑別診断,そして病期診断に大別することができる.日常診療では検出と病期診断が多くを占めるが,画像診断の醍醐味はやはり鑑別診断にあると考えている.その意味でもさまざまな疾患,特に頻度の高い良性疾患の画像スペクトラムをしっかりと把握しておくことは,画像診断を生業とする放射線診断医にとってまさに存在の根幹にかかわる大切な責務である.
このような認識のもとに,本特集では,腹部領域の画像診断で遭遇する頻度が高い良性疾患である肝嚢胞・肝海綿状血管腫,胆石・胆嚢炎,膵炎,腎結石・腎嚢胞・水腎症,副腎良性疾患,虫垂炎・憩室炎,子宮筋腫・内膜症性嚢胞について,我々が知っておくべき画像スペクトラムを,それぞれの領域のエキスパートの方々にわかりやすく解説していただいた.診療・研究・教育業務でご多忙であるにもかかわらず,快く執筆をお引き受けいただいた先生方に改めて感謝申し上げます.本特集が読者の皆さんの診療の一助となることを心より願っています.
肝嚢胞・肝海綿状血管腫 ● 藤田 展宏, 西江 昭弘ほか
胆石・胆嚢炎 ● 幸 秀明,山下康行
膵炎 ● 池野 宏,蒲田 敏文ほか
腎結石・腎嚢胞・水腎症 ● 宗近 次朗,波多野 久美ほか
副腎良性疾患 ● 岡内 研三,対馬 義人
虫垂炎・憩室炎 ● 石山 光富,齋田 幸久
子宮筋腫・内膜症性嚢胞 ● 武輪 恵,高濱 潤子ほか
連載
すとらびすむす
安全と効率 ● 畠中 正光
画像診断と病理
子宮原発悪性黒色腫 ● 大西 康之,百々 俊樹ほか
ここが知りたい!
画像診断2011年11月号特集
「画像診断医に必要な心血管系ガイドライン」 ● 吉岡 邦浩
Picked-up Knowledge from Foreign Journals
子宮癌肉腫(MMMT)の画像診断 ● 片岡 正子
CASE OF THE MONTH
Case of April ● 古本 大典,寺田 大晃ほか
The Key to Case of February ● 中村 優子,柿沢 秀明ほか
Refresher Course
扁平上皮癌以外の鼻副鼻腔腫瘍の画像診断 ● 角南 俊也,松尾 芳雄ほか
第17回「画像診断」MVP賞
第8回「画像診断」Best Invited Editor賞受賞者発表
CASE OF THE MONTH 2011年成績優秀者発表