HOME » 臨床工学 » クリニカルエンジニアリング別冊 » どう防ぐ?医療機器使用中のヒューマンエラー
昨今,医療事故が多発し問題になっています.その中には,「ヒューマンエラーにより生じた原因」による事故もあり,ヒューマンエラーを防ぐことが重要になります.本書では,医療機器(人工呼吸器,血液浄化装置,人工心肺装置)使用中のヒューマンエラー事例を取り上げ,「どのようなヒューマンエラーが起こったのか」「どのように対処したのか」「このヒューマンエラーを防ぐにはどうしたらよいのか」について解説しています.
医療機器を使用することの多い,看護師,臨床工学技士にお薦めの一冊です.
目 次
第 I 章 総論
1.人工呼吸療法と人工呼吸器の基礎
2.血液浄化治療と血液透析回路の基礎
3.人工心肺回路と操作の実際
[コラム]ヒューマンエラーのリピータ
[エッセイ]医療におけるヒューマンエラー
第 II 章 人工呼吸療法中のヒューマンエラー
1.呼吸回路の吸気側と呼気側を間違って接続した
2.呼吸回路内に溜まった水を取り除くのを忘れていた
3.呼気フィルタの目詰まりに気が付かなかった
4.加温加湿器のひび割れに気が付かなかった
5.加温加湿器に滅菌水を入れるのを忘れた
6.気道内圧警報装置の設定レベルを間違えた
7.水抜き部に水分が溜まっていることに気が付かず,水分が人工呼吸器本体に入ってしまった
8.一般電源コンセントに接続していたため,停電で人工呼吸器が停止した
9.閉鎖式吸引の過陰圧により人工呼吸器が突然止まってしまった
[コラム]人工呼吸回路の外れによる事故とその対策
第 III 章 血液浄化治療中のヒューマンエラー
1.グラフトの脱血側と返血側の針を逆に穿刺した
2.透析終了予定時刻間際に体重の入力間違いに気付いた
3.透析の一時中断後,30分間運転スイッチを入れ忘れていた
4.膜面積を間違えて透析を始めた
5.透析液が止まっているのに気付かずに体外循環を行った
6.動脈側穿刺針が抜けかかり,空気が混入した
7.静脈側穿刺針の抜けに気付かず,相当量の出血を起こしてしまった
8.生理食塩液ラインに鉗子をかけるのを忘れたために,生理食塩液が体内に注入された
[コラム]透析医療事故の全国調査による現況と対策
第 IV 章 人工心肺施行中のヒューマンエラー
1.回路内に気泡が入ってしまった
2.人工肺ガス交換不良が生じた
3.停電などで電気供給が突然ストップした
4.遠心ポンプが突然止まった
5.貯血槽に血液凝固が生じた
6.術者サイドで送血管と脱血管が突然抜けた
7.心筋保護液注入回路より空気を送り込んだ
8.急性大動脈解離の緊急手術で突然送血圧が上昇した
9.陰圧吸引補助脱血が突然働かなくなった
10.PCPS回路の動静脈側を逆に接続した
[コラム]人工心肺操作とヒューマンエラー