読者より問合せの多かった「定量的PCR」の実際について新たな章を設け,標識の種類から定量用測定器の選択まで,注意点を含めて詳述していただきました.もちろん実際のプロトコールも豊富な図版を駆使して丁寧に紹介してあります.
第1章 PCRの原理と準備
1.PCRの原理
PCRのカイネティクス
カイネティクスから見たPCRの注意点
2.DNA増幅装置と反応容器
マイクロチューブでの反応
マイクロタイタープレートでの反応
マイクロキャピラリーでの反応
その他
3.酵素
酵素の種類
ユニット数
酵素の失活
4.プライマー
プライマーデザイン上の注意
nestedプライマー
Tm(meltingtemperature)
オリゴヌクレオチドの定量
オリゴヌクレオチド合成の基礎知識
オリゴヌクレオチドの精製法
コラム:ゲル濾過の謎
オリゴヌクレオチド購入の際の注意
(いろいろなパラメーターについて)
オリゴヌクレオチドを取扱う上での注意点
5.その他の試薬
バッファー
dNTPミックス
ミネラルオイル
第2章 PCRの基本プロトコール
1.反応温度・サイクル数の設定
熱変性の温度と時間
アニーリングの温度と時間
伸長反応の温度と時間
サイクル数
代表的なサイクルの例
2.反応液の調製
プライマー濃度
デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)の濃度
酵素濃度
鋳型DNA量
反応系の容量
3.アガロースゲル電気泳動によるチェック
4.ポジティブコントロールとネガティブコントロール
ネガティブコントロール
ポジティブコントロール
反応液を調製する順序
5.微量DNAサンプルの調製法-末梢血のgenotypingを例に
6.PCR
7.トラブルシューティング
コラム:裏表のあるやつ・無神経なやつ-手袋の話
8.書き込み欄付PCR実験ノート
第3章 PCR生成物のサブクローニング
1.PCR生成物クローニングの問題点
2.サブクローニングの様々な方法
ブラントエンドライゲーション
制限酵素認識配列の付加
コラム:TaqポリメラーゼのTdT活性
ウラシルDNAグリコシラーゼを用いたクローニング
TAクローニング
3.制限酵素認識配列の付加法
ベクターの調製
インサートの調製
ライゲーション
4.TAクローニング法
Tベクターの調製
Tベクター用のインサートの調製
ライゲーション
TAクローニング法の注意事項
一般的なサブクローニングへの応用
5.プラスミドインサートチェック
プラスミドインサートチェックの原理
実験例:コロニーからのダイレクトPCR
制限酵素処理によるインサートチェック
サブクローニングしたPCR生成物の向きの決定
第4章 RT-PCR法
1.RT-PCR法の原理
2.RT-PCR法のポイント
ゲノムDNAのコンタミ
1ststrandcDNA合成のプライマー
RNAの除去
AGPC法の変法によるRNA抽出
3.RT-PCR法の実際
オリゴ(dT)を用いた1ststrandcDNA合成
ランダムプライマーを用いた1ststrandcDNA合成
PCR
4.ホットスタート法
コラム:ホットスタートがゲノムDNAで有効な理由
高温で酵素を加える
PCR用固形ワックスの使用
抗Taqポリメラーゼ抗体の使用
第5章 PCRを用いた未知遺伝子のクローニング
1.一般的な注意
ネガティブコントロールを作る
サイズ分画を行う
得られた断片の判定法を持つ
2.3’RACE法
3’RACE法の原理
3’RACE法のポイント
1ststrandcDNA合成(3’RACE法)
PCR(3’RACE法)
3.5’RACE法
5’RACE法の原理
コラム:RNAリガーゼを用いた5’RACEの改良法
5’RACE法のポイント
1ststrandcDNA合成(5’RACE法)
1ststrandcDNAの精製(5’RACE法)
TdTによるホモポリマーの付加
PCR(5’RACE法)
4.degeneratePCR法
degeneratePCR法の原理
degeneratePCR法のポイント
得られたフラグメントの判定
5.AP-PCR法とDD法
第6章 PCRのシークエンスへの応用
1.サイクルシークエンス法の原理
2.サイクルシークエンス法の利点
3.サイクルシークエンス法の実際
コラム:プラスミドはなぜシークエンスできるのか?
プラスミドを鋳型としたサイクルシークエンス法
PCR生成物を鋳型としたサイクルシークエンス法
第7章 PCRを用いた多型分析
1.PCRを用いたマイクロサテライト多型の検出
2.PCR-RFLP法
3.シークエンス
4.PCR-SSCP法
SSCP法の原理
SSCP法の注意点
PCR-SSCP法の実際
5.PCR-CFLP法
第8章 定量的PCR
1.PCRのカイネティクス
2.競合的PCR法
2組のプライマー対を使う方法
同一のプライマー対を使う方法
3.カイネティクス分析法による定量
カイネティクスから見たPCRの定量可能性
カイネティクス分析の原理
4.CCDイメージアナライザーを用いた定量
CCDイメージセンサーによる定量の予想される問題点
モデル実験
ノーザンハイブリダイゼーションとの比較
カイネティクス分析法の応用
第9章 PCRを用いた定量の実際
1.内部標準
定量的PCRで定量されるもの
サンプル量を補正するための内部標準
内部標準の具体例
2.定量に用いる測定器の条件
3.RIを用いた定量法
RIによる核酸の検出法
様々な測定器を用いたシグナル(放射活性)の定量
コラム:写真フィルムの感光
4.RIを用いない定量法
蛍光による核酸の検出法
様々な測定器を用いたシグナル(蛍光)の検出
コラム:手持ちの条件で定量的PCRを行うために
5.RIを用いた定量的PCRの具体例
カイネティクス分析のためのRT-PCR
液体シンチレーションカウンターを用いた定量
イメージングプレートを用いた定量
6.RIを用いない定量的PCRの具体例
7.カイネティクス分析のためのデータ解析法
測定のバックグラウンド
カイネティクス分析
分析結果の解釈
8.半定量法(簡便法)
9.カイネティクス分析法の展開