人工呼吸管理・せん妄ケア・ショック対応と治療
重症患者の重点ケア
CONTENTS
Ⅰ 人工呼吸器管理のなぜ?がわかる 医師オーダーの理解と対応のコツ
監修 道又元裕
part1 設定・モードの選択・変更
Q1 同じような重症度の患者なのに,人工呼吸器の初期設定が異なる指示となるのは,なぜ?/佐藤大樹
Q2 人工呼吸器管理開始時の酸素濃度はどのように決めているの? また,下げたり,上げたりのタイミングは?/佐藤大樹
Q3 なぜ,患者や医師によってPCVやVCVが異なって選択されるの? また,このとき「PCVに」という指示が多いのはなぜ?/橋本博明
Q4 一回換気量をシビアに指示を出す(6mL/kg内で)医師と,ざっくり10mL/kgなどで出す医師がいるが,この違いは?/橋本博明
Q5 最初は調節換気で,すぐにSIMVなどに変更されることが少なくないが,逆になかなかSIMVにならない患者がいて気になります.意味はある?/高野 洋
Q6 PEEPとBIPAP,医師によって選択が異なるようだが,どっちがいいの?/三瓶智美
Q7 たくさんある「特別なモード」(APRV,PAVなど)は,いつ,どうやって選ばれるのでしょうか?/成田寛治
Q8 ナースが,人工呼吸器の初期設定変更について医師に変更依頼をすべきなのはどんなときでしょうか?/成田寛治
Q9 ナースが人工気道下陽圧換気からNPPVへの変更について提案すべきなのはどんなときでしょうか?/平野 充
Q10 PEEPの設定は,どのような判断で出されている?同じ状態にみえる患者で設定差が大きいのには,何か理由はある?/高野 洋
Q11 患者によって,PEEPが設定されない場合があるが,どんな根拠で決めているの?/三瓶智美
part2 ウィーニングの実施・中止
ウィーニングについての基準をどうとらえるか/道又元裕
Q1 ナースが「もう大丈夫だろう」と思っても,「まだだ」と,ウィーニングに非常に慎重な医師がいるのはなぜ?/村田亜夕美
Q2 評価の結果,呼吸状態も血ガスも安定しているのに,やはり「ウィーニングは様子をみよう」というケースがあるのはなぜですか? 別の基準もあるのですか?/村田亜夕美
Q3 結局,ウィーニングの可否は全身状態の何をみて決めるの? ジャッジに違和感があるときは,ナースはどんな根拠でディスカッションすればいい?/水上奈緒美
Q4 SBTにおいてTピース法やCPAP法のオーダーはどんな理由で出されるの? それぞれの違いと注意点は?/水上奈緒美
Q5 SBT時の観察時間はどのくらいが望ましい? 中止のタイミングがわかりにくいが,どこに注目する?/上北真理
Q6 ウィーニングがなかなかGOできない患者に,ナースが日々できることはありますか?/上北真理
Q7 慎重に進めても,どうしてもウィーニングがうまくいかず,再挿管するケースが出てしまいます.何が問題なのでしょうか?/齋藤美和
Q8 ナースがウィーニングに関して医師に提案できること,すべきことは何ですか?/齋藤美和
part3 鎮静管理の判断・評価
Q1 鎮静は確実に・間欠的に・必要なしなど議論がされています.現実的にはどんな方法が患者にとってよいのですか?/西村祐枝
Q2 鎮静の評価は,どのスケールで,どのくらいの間隔で行うのが正しいのでしょうか?/神山淳子
Q3 鎮静スケールの使用がここ数年で2〜3回変わりました.いまはRASSですが,うまくマネジメントできているかどうかの評価はどう判断すればよいですか?/西村祐枝
Q4 鎮静薬にスタンダードはありますか? 患者によって変わることがあるのはなぜですか?/神山淳子
Q5 鎮静薬の量は,どのように決められるのですか? 夜に量を増やす指示がよく出ますが,患者はむしろ不穏が強くなるようですが?/神山淳子
Q6 人工呼吸器のモードによって鎮静の方法が変わるのですが,それはなぜですか?/神宮かおり
Q7 人工呼吸器管理中でも「鎮静を行わない方法が患者回復に効果がある」と聞きますが,医師は否定的です.ナースは何かできることはありますか?/神宮かおり
Ⅱ こうしたらうまくいった!「せん妄」のケア事例
監修 卯野木 健,小松由佳
せん妄をどのように考えていくか 〜急性期を中心に〜/卯野木 健
慢性期・終末期のせん妄をどう考える?/小松由佳
事例1 急性期 緊急手術後,せん妄を発症した患者/山田 亨
事例2 急性期 人工呼吸中に気管チューブの違和感があった患者/剱持雄二
事例3 急性期 鎮静によりコミュニケーションが困難な状態でせん妄を発症した患者/尾崎裕基/剱持雄二
事例4 急性期 人工呼吸器離脱後にせん妄を発症した患者/橘川 優/剱持雄二
事例5 急性期 不穏と判断され,ドレーンに触れようとする動作がみられた患者/後藤順一
事例6 急性期 人工呼吸器早期離脱に向けた鎮静薬減量時にせん妄が顕在化した患者/小林大輔
事例7 急性期 転倒・転落の危険性が高いせん妄の患者/高野 洋
事例8 急性期 腹部手術直後よりせん妄を発症した患者/西村基記
事例9 急性期 乳がんの転移がありせん妄を発症した患者/普天間 誠
事例10 急性期 夜間せん妄で幻覚のある患者/清水孝宏
事例11 急性期 創部痛を繰り返し訴えるせん妄の患者/萩野裕夏
事例12 急性期 貧血の加療中に過活動型のせん妄を発症した患者/澤井 陽/宮本毅治
事例13 慢性期 急性骨髄性白血病が再発し低活動型せん妄となった患者/高木明子
事例14 慢性期 終末期にせん妄を発症した患者/赤堀聡美
事例15 慢性期 夜間不穏と下痢を発症した大腿骨頸部骨折術後の患者/殿城友紀
Ⅲ アセスメントに役立つ!急変・重症患者に起こっている「異変」の根拠
part1 急変患者や重症患者に現れる症状や徴候は,侵襲に対する生体防御反応によって引き起こされる/道又元裕
part2 ショックを知り,ショックに適切に対応することが急変・重症患者に対するベストプラクティス/道又元裕
part3 侵襲によって身体がどう反応し,どんな状態になりうるか/道又元裕
part4 急変・重症患者の評価と対応は,侵襲による代償反応からアプローチを/道又元裕
part5 ショックへの対応/押川麻美
家族ケアのポイントコラム
Column1 家族は,ケアをされるために面会に来ているわけでない.患者の状態が心配だから来ているのである./道又元裕
Column2 患者の家族が面会に来たら,自己紹介し,すぐに椅子を出す.そして,患者が痛い思いをしていないか,眠れているのかを説明する./道又元裕
Column3 患者・家族ケアで「危機モデル」を活用するのは結構だが,主体は常に患者と家族であると繰り返し思い巡らさねばならない.でないと,「危機モデル」に使われてしまいかねない./道又元裕