初版で大好評を博し,改訂が待ち望まれていた実験書が大幅改訂されて再登場.医学・理学・農学系など,基礎医学・分子生物学に関わる研究者,学生さんに広くお勧めできます.初めてタンパク質を扱う人にもわかりやすく親切に解説.当社の大ベストセラー「バイオ実験イラストレイテッド(5)タンパクなんてこわくない」と揃えるとより実用的.
目 次
[カラー口絵]
初回免疫の手順
耳の血管
少量採血の手順
大量採血の手順
抗リン酸化ペプチド抗体による細胞内リン酸化反応の可視化
導入編 ペプチドの設計と合成
第1章 抗ペプチド抗体を得るための合成ペプチドの設計法(大海 忍)
1 標的とするタンパク質の性質
2 タンパク質の翻訳後修飾
3 どのような抗体が欲しいか
4 ペプチドの基本的設計
4-1 構成アミノ酸に基づく抗原性
4-2 計算機を利用したタンパク質の二次構造等の予測
4-3 立体構造情報の活用
4-4 抗体を得るための抗原のアミノ酸配列の選び方
5 ペプチドの化学合成
6 Multiple Antigen Peptide(MAP)の合成
7 ペプチド合成あるいは抗ペプチド抗体作成の外注
7-1 ペプチド合成だけを外注する場合
7-2 ペプチド合成から抗体作成まで外注する場合
実用編 抗体の作成と一般的利用法
第2章 ウサギを用いた抗ペプチド抗体の作成法(大海 忍)
1 ペプチドのキャリアタンパク質への結合
1-1 KLH-MBの調製
1-2 合成したペプチドとKLH-MBの結合
1-3 ビスイミドエステル架橋剤を用いた方法
2 初回免疫および2回目以降の免疫
2-1 初回免疫
2-2 2回目の免疫
2-3 3回目以降の免疫
3 採血
3-1 少量採血
3-2 大量採血
4 抗血清の調製法
4-1 少量採血の場合
4-2 大量採血の場合
5 抗血清の保存
5-1 凍結保存
5-2 凍結乾燥
5-3 硫酸アンモニウムによる塩析
6 ドットブロット法
6-1 ドットブロット用の膜の調製
6-2 ドットブロットアッセイ法
6-3 IgGの定量(希釈ドットブロット法)
第3章 抗体の精製法と一般的利用法(大海 忍)
1 合成ペプチドを固定化したアフィニティーカラムの作り方
2 アフィニティーカラムを用いた抗体の精製法
3 電気泳動とイムノブロッティング
3-1 電気泳動用の試料の調製法
3-2 SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)
3-3 二次元電気泳動
3-4 ウエスタンブロッティング
3-5 ブロッティング膜上の抗原と抗体の結合およびその検出法
4 抗体カラムと免疫沈降
4-1 抗体のアフィニティー担体への結合
4-2 抗体カラムによる抗原の分画
4-3 免疫沈降法
第4章 抗原の細胞内および組織内分布の解析(辻村邦夫・稲垣昌樹)
1 細胞および組織の準備
1-1 細胞の準備
1-2 組織切片の準備
2 固定
2-1 有機溶媒による固定
2-2 パラホルムアルデヒドによる固定
3 抗体との反応
3-1 付着性細胞および組織における抗体との反応
3-2 浮遊細胞における抗体との反応
4 検出
4-1 酵素標識抗体(試薬)による検出
4-2 蛍光標識抗体(試薬)による検出
4-3 バックグラウンドが高いときの対策
応用編 抗ペプチド抗体を利用した新しいアプローチ
第5章 リン酸化合成ペプチドに対する単クローン抗体の作成法(辻村邦夫・稲垣昌樹)
1 リン酸化ペプチドの設計
2 リン酸化ペプチドのキャリアタンパク質への結合
3 動物への免疫
3-1 抗原の性状と量
3-2 アジュバント
3-3 免疫経路
3-4 免疫の間隔
3-5 採血と血清の抗体価の測定
4 細胞融合の準備
4-1 ウシ胎児血清の品質のチェック
4-2 ポリエチレングリコール溶液の調製
4-3 HAT培地およびHT培地の作成
4-4 ミエローマ細胞の培養
4-5 フィーダー細胞の調製
4-6 脾細胞の調製
5 細胞融合
6 ELISAによるスクリーニング
7 抗体産生細胞の増殖と凍結
7-1 細胞の凍結法
7-2 細胞の融解法
8 クローニング
9 免疫グロブリンクラスの決定
10 腹水の採取
11 代表的な応用例
11-1 生体内でのリン酸化反応の可視化
11-2 タンパク質キナーゼ活性の測定
第6章 切断部位特異抗体の作成法(大海 忍)
1 切断部位特異抗体を得るための合成ペプチドの設計
1-1 アミノ末端に対する切断部位特異抗体
1-2 カルボキシル末端に対する切断部位特異抗体
2 ペプチドのキャリアタンパク質への結合
3 ウサギへの免疫,採血,抗血清の調製
4 抗体のアッセイ法
5 抗体の精製法
5-1 アフィニティーカラムの作り方
5-2 抗体の精製法
5-3 アミノ末端をブロックしたカラムの作り方
5-4 マイクロスケールでの抗体の精製
6 切断部位特異抗体を得るための新しい方法
6-1 必要なペプチドの合成
6-2 抗体の獲得方法
7 切断部位特異抗体の応用例
第7章 抗ペプチド抗体のタンパク質機能解析への応用(大海 忍)
1 無細胞系でのタンパク質間相互作用の解析
1-1 分子間相互作用の標的分子を同定するための簡単な方法
1-2 分子内での領域間相互作用の解析
2 細胞への合成ペプチドの導入と細胞レベルでのタンパク質機能の解析
2-1 光架橋剤を導入したペプチドの調製法
2-2 光架橋アッセイ
2-3 エレクトロポレーションによるペプチドの細胞への導入と光架橋反応
2-4 脂肪酸で修飾したペプチドを利用する方法
3 標的タンパク質の機能領域ペプチド結合部位の解析
3-1 アフィニティー標識されたタンパク質の部分精製
3-2 タンパク質のSDS-PAGEによる精製とプロテアーゼによる限定分解
3-3 フラグメントの単離とアミノ酸配列分析
4 白血球スーパーオキシド産生系活性化機構解析への応用例
付録
試薬・機器の製造・販売会社のウェブサイト
ペプチド合成・抗ペプチド抗体作成受託会社のウェブサイト
タンパク質二次構造予測のためのサイト
20種のアミノ酸一覧(R基の構造と特性による分類)
索引