異常心音:病的Ⅲ音
Ⅲ音は心尖部においてもっともよく聴取される異常心音で,より低音のためベル面で聴取されやすい.Ⅱ音とⅠ音の間にあって,全体はよく「おっ(Ⅰ音)・か(Ⅱ音)・さん(Ⅲ音)」のように表現される.若年者では正常でも聞かれるが,壮年者や高齢者に聞かれた場合には左室不全の徴候であることが多く,とくに急性心筋梗塞や拡張型心筋症,心房細動の出現時などに聴取される.